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今日は小説を載せています!

こんばんは!
pixivにも載せております小説です。
こやにゃんの中でとても心に残るものです!

では、どうぞ!


「氷輪のココタリ」

白蕾(ハクライ)の丘に、そろそろ春の息吹が感じられる時期がやって来ました。
丘には凍てつく洞窟があり、そのそばには鳥のイノリが住んでいました。
洞窟の天井には、冬の始まりと終わりを告げるまでの権力者、「氷輪のココタリ」が眠っていました。


ココタリは冷気を操る伝説の妖鳥です。
しかし、その寿命は残り少なくなっていました。
その体力が衰えていく一方で、妖力は大きくなっていきました。
彼女は妖力を制御できなくなっていたのです。


とうとう溢れる妖力は暴走し、
凍てつく洞窟は氷漬けの洞窟となり、湖のの厚い氷はますます厚く、
川も凍り付いて流れを止めてしまいました。


ココタリは考えていました。
このままでは生き物たちの暮らしを破壊してしまうと。


彼女は自らの妖力で檻を作り、閉じこもるようになりました。


唯一の友、イノリも檻の中に決して入らないようにと言い渡されました。
イノリはいつでもココタリに会えるように、檻の周りで羽根の手入れをしていました。


暦の上ではもう春ですが、世界に春はやってきません。
ココタリの檻の周辺は真冬のような雪が降り続いています。


ある朝イノリはココタリに「お願いがある」と呼ばれました。
檻の周りの、吹雪のような激しい雪も止んでいます。
イノリはココタリに会えるのを楽しみに、急いで駆け付けました。


イノリは驚きました。
なんとココタリは、妖力の詰まった己の羽を使って一枚のマフラーを作っていたのです。


ココタリは言いました。
「イノリ・・・これを・・・。」


イノリにマフラーを渡すと、そのままココタリは倒れてしまいました。


檻はみるみる解け始めます。
そこからやわらかな空気が広がっていき、冬の気配がどんどん薄れていきます。
凍っていた川や湖は解け、湖にはさざ波が立ち、川はせせらぎを取り戻します。
その水音たちは、春の穏やかな風を喜んでいるかのようでした。


「ココ・・・ちゃん?」
動かなくなったココタリをイノリは何度もつついてみます。


けれどもココタリが目を覚ますことは二度とありませんでした。
イノリの涙がココタリに落ちると、
不思議なことに彼女の周りからは氷の結晶が生えはじめたのです。


やがて、ココタリの身体を覆いつくした結晶の中から卵が現れ、霊鳥の雛が現れました。
イノリは雛にマフラーを渡します。


「これは君が持っているべきだ・・・!」


霊鳥の雛はどこか見たことのある笑顔で言いました。


「とても、温かいね・・・。」


その夜、洞窟周辺には雨が降りました。
温かい雨は大粒で降り注いで川に流れ、湖の面積を一夜にじて倍にしました。


マフラーを巻いた霊鳥の雛は温かい春風の様に
穏やかな妖力の波動を放っていました。
雛はいつか白蕾の丘を護る権力者となるでしょう。


洞窟に春を告げる蝶がやってきました。
イノリは日光を浴びながら洞窟を振り返ることなく飛び立っていきます。


生き物たちに春の訪れを知らせるため、


そして、きっといつかまた会える友のために。
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